ロボット産業ビジョン -次の10年に向けて-

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概要

本ビジョンは、当会が平成24年10月に創立40周年を迎えたのを契機に、委員会を組織し当業界の次の10年に向けてロボット業界の現状と課題を踏まえつつ、国際競争力の向上、そして成長産業としてあるべき姿の実現にあたって、その戦略と具体的方策を取り纏めた。

第1章「ロボット産業の現状と課題」では、産業用ロボット、サービスロボットに分け、それらの現状と課題について取り上げた。

第2章「ロボット産業ビジョンのイメージ」では、ロボット産業ビジョンのイメージを、情報技術(IT)を取り入れつつ市場が大きく拡大していくことを期待すると同時に、その市場期待を実現するために業界として「市場を捉える」、「業界構造を変える」、「イノベーションを興す」の3つを戦略の柱とした。

第3章「産業ビジョンの実現に向けて」では、この3つの柱ごとにそのための方策を具体的に取り上げるとともに、産業界、学界及び国等がそこで果たすべき夫々の役割を示した。その主な内容は、以下の通り。

第一の「市場を捉える」では、ロボット需要の7割となる海外市場を確実に捉えること、そして国内にあっては、市場開拓が遅れる食品、医薬品等の三品産業や中小企業などの市場の掘り起こし、さらに社会的ニーズが高いものの未だ黎明期にある農林業、社会資本メンテナンス、医療・福祉、資源・エネルギー及び防災等のサービスロボット分野の市場創成についての方策について取り上げた。

第二の「業界構造を変える」では、これまでの産業イメージをロボットメーカのみならず、ユーザはじめ部品メーカ、システムインテグレータ、ソフトウェアハウス、リース・レンタル事業者、保険事業者等々の多彩なステークホルダによる参画を通じ、新たなビジネスモデルや協業によって市場の拡大を図ることを取り上げた。

そして第三の「イノベーションを興す」では、ものづくり産業でのロボットを通じた生産革新を促すためのプロセス・イノベーション、そしてロボット自身の競争力強化を図るためのプロダクト・イノベーション、さらにIT、つまり情報技術が社会・経済に新たな価値を生み出し巨大な産業にまで発展しているように、ロボット及びロボット技術を社会に実装することで、さらに新たな価値を生み出すとともに課題解決のためのイノベーションを図ることの必要性について取り上げた。

補章「新たな工業会像 - ネットワークハブを目指して」では、ロボット産業発展のた 、めの方策として、産学官それぞれの役割を示したなかで、これらの機関を繋ぐインタフェースとして工業会の果たすべき役割が重要との認識のもと、工業会としての活動指針・アクションプランをまとめた。